危機一髪
 

 ちょっとヒヤリとした話です。  
 先日、実家の親が温泉旅行に行くということで、留守番を任されました。家が商売をしている都合上、閉店後にあれこれ仕事があるのです。  
 で、とりあえず一段落したあと、夜食なんぞを買いにコンビニへ行き、戻ったところで何気なしに店をのぞいてみました。
「……………」  
 ガラス扉を一枚へだてた向こうに誰かいます。若い男のようです。次の瞬間、「やべ! 見つかっちまった!」の一言。  

 マジで凍りつきましたよ……。  
 あわてて電気をつけ、周囲を見回しましたが、男の姿はすでに消えていました。ガラス扉は無事でしたが、とりあえず110番。ヒマだったのか警察官が四人もきました。  
 一瞬しか見てはいませんが、不審者の人相・風体などを記憶している限り話し、周辺パトロールの強化をお願いしました。  

 やれやれ一安心と思ったところで、あらためてゾッとしましたね。  
 相手が、扉を破る前だったから良かったのです。もし、侵入後に室内で出くわしていたら?
 「顔を見られた」とか言われて、最悪の結果になっていたかもしれません。  

 うちの近所は、かなり治安がいい方なのですが、聞けばビル荒らしなどの被害はチラホラあるとのこと。そして、もっとイヤだったのは、犯人が「下見のために来店しているかもしれない」という可能性を警察官から告げられた時です。    

 お客さんを疑わなきゃならないなんて、世も末です。皆さんも、くれぐれもご用心を。