2010年のトレンド?

 「2010年」という映画があります。
 アーサー・C・クラーク原作の「2001年宇宙の旅」の続編です。  
 といっても、スタンリー・キューブリックは無関係で、監督はピーター・ハイアムズ。駄作という意見も見かけますが、確かにどちらかと言えば凡作の部類でしょうか
。わたしはそれほどキライじゃないんですけどね。ま、オープニングが「カプリコン1」とまるっきり同じじゃねーかとか、ボーマン船長役のキア・デュリアがまったく老けてないとか、変な意味の見どころもありますが。  
 もっとも今回は、映画の話ではなくて、映画に出てくるファッションの話です。
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10年の登場人物は圧倒的に男性が多いのですが、彼らのほとんど全員、というか地球での場面にほぼ共通しているファッションがあります。
 それは蝶ネクタイをしめて、それをシャツのエリで隠すというもの。初めてこの映画を見た時、このファッションが気になって仕方ありませんでした。  
 映画に出てくる地球は西暦2010年とはいえ、今と違いがあるわけではありません。いや、ソ連と冷戦中(わぁい)だったりしてますけど。そんな中、監督はなんとか違いを出したかったのでしょうね。  
 昔のSF映画における未来の服装と言えば、銀色の全身タイツとか古代ギリシャ風の衣装、それっぽくデザインされたオリジナルの制服などが主流で、あとは地味なスーツ姿とかがほとんどだったと思います。  
 この傾向が明確に変化するのはブレードランナー以降ですが、どのみち服装で未来を表現することに、お金や手間をかけた映画はあまりなかったと思います。  
 2010年もその流れを汲んでいるのですが、「服装の変化」ではなく「着こなしの変化」で未来を表現しようとしたのは珍しいかもしれません。いや、ちょっと気に入ってるのですよ。あのお洒落。  
 あと3年で本物の西暦2010年です。  
 今から準備して、流行らせてみるのも面白いんじゃないかと思います。サラリーマンやニュースキャスターが、みんな蝶ネクタイって、なんだか素敵じゃありません?