アイスクリームとナチス  

 アクセス解析というものがあります。  
 自分のホームページにどのぐらいの訪問者が来ているのか、などを教えてくれるもので、サーバー会社が無料でサービスしてたり、解析専門の会社などもあります。ウェブサイトを運営している人ならご存じだと思いますが。  
 さて、そのアクセス解析の項目に「リンク元URL」というものがあります。
 訪問者が自分のサイトに来る直前、どこのページを見ていたかがわかる仕掛けで、たとえば相互リンクしている相手先のサイトとか、Googleの検索ページとかのURLが表示されます。  
 知らないうちにリンクされた場合でも、誰かがそのリンクを踏んで訪問してくれば、そのアドレスがわかるので、たどっていくと「へー、ブログで紹介されてる」とか「なんだ○○さん、自分のホームページ持ってたんだ」とか色々わかって楽しかったりします。  
 ただ時々、奇妙なこともあったりするわけで……。  

 こことは別にミリタリー系のサイト運営にも関わっているのですが、ある時、興味深いことがありました。
 いわゆるナチスドイツ軍関連のコンテンツをアップロードした時です。更新すれば全般的に訪問者が増えるのは普通ですが、アクセス解析の中に、明らかに他とは浮いてるURLがありました。  
 たどってみると、なんとも場違いなホームページが……。  
 ドイツのとある小さな町のアイスクリーム屋さんのサイトです。大手チェーンではなく、個人が経営する手作りアイスのお店のようです。文章はドイツ語のみ
。気のよさそうな店員さんの画像がありますが、もちろん面識なんてありません。ドイツにも知人はいるけど、アイスクリーム屋はやってない。  
 しかし、原理としては、このホームページのどこかに、こちらへのリンクが貼られているはずです。そうでなければアクセス解析に引っかかるはずがありませんから。  
 しかし、どこを探しても見当たりません。   
 うーむ……卍。  
 そうなると別の可能性が出てきます。このサイトを運営している人が、直に訪問している場合です。原理はわかりませんが、そういう仕掛けになっているらしいのです。    

 ドイツの小さな町のアイスクリーム屋さんが、
 ナチス関連のコンテンツをアップロードした途端、
 日本のマイナーなミリタリーサイトにアクセスするようになった……。  


 もしかして、ここのオーナーはそういう趣味の人なんでしょうか? そのスジでは有名な人なんでしょうか?   
 あるいはナチ・ハンター? アイスクリーム屋というのは表向きの顔で、実はサ
イモン&ガーファンクル機関……じゃなかった、シモン・ウィーゼンタール機関のエージェントだったりするんでしょうか? はたまたその逆で、ネオナチとかオデッサ機関の人なんでしょうか?   
 ちなみにそのURL。今は引っかからなくなりました。  
 あちらの人が興味を無くしたのか、何か別の理由があるのか、いずれにせよ、ちょっと不思議な話です。