BLACKLAGOON & INTERNET

 BLACKLAGOON THE 2nd Barrage が各地でスタートしました。
 最初にアニメ化の話を聞いたのが2005年の3月ぐらいですから、ずいぶんと長丁場だったことになります。自分が関わった部分はさほど多くないのですが、軍事考証というクレジットまでいただき、感謝しております。
 というわけで、わたしもこの作品のネタをちょっとだけ書くことにします。ブラックラグーンの第1期が放映されていた頃、あの『2ちゃんねる』で、ちょっと興味深い出来事を目にする機会があったのです。

 当時のファンの人たちの関心を集めたもののひとつに、アニメの話数とエピソードについての話題があります。  
  果たしてアニメは全何話なのか?  双子編や日本編はやるのか?
 これらの情報は、制作側の戦略的判断からなかなか明らかにされず、ファンの人たちはずいぶんと苛立っていたようです。やりとりを見ていると、時に言い争いみたいな形に発展してしまうこともあり、見ていて気の毒になったほどでした。  
 この話題は第10話のロベルタ編が終わった後、タケナカ編の予告が流れたあたりがそのピークだったように思います。東京では2006年6月頃です。  
 この時、不思議だったのは「12話で終わり」「双子編も日本編もやらない」と書き込む人を見かけたことです。たしかに続報はありませんでしたから「これで終わりなのだろう」と考える人が現れるのは当然のことだと思います。  
 しかし、あまりにも自信満々に「ない」と断言されてしまうと、いったいその情報の出所はどこなのだろう?と、逆にこっちが首をかしげたものでした。実はその頃、自分は19話と21話のアフレコに立ち会っていたのです。  
 もちろん、その反対に「2期は必ずある」「双子編も日本編もやる」と言う人もいました。その根拠のひとつに挙げられたのが、東京国際アニメフェア(2006/03/26)で行われた先行上映です。  
 この時、舞台挨拶に立ったカントクが(当時はまだ秘密だった)21話のコンテをうっかり見せてしまうというハプニングがありました。その場に居合わせた人にとって「12話で終わり」という話を信じる理由が消滅した瞬間でした。  

 興味深いのはここからです。  
 この事実は掲示板に何度か書き込まれたものの、なぜか多くの人々からガセネタ扱いされていたようなのです。すべての関連スレッドを、もれなくチェックしたわけではありませんが、『2ちゃんねる』の書き込みだから、というだけの理由で信憑性が無くなるということだったのでしょうか?  
 ちなみに、こんな時には否定・肯定を問わず「制作側が工作しているのでは」という陰謀史観が頭をもたげますが、わたしが知るかぎり、そんなヒマそうなスタッフはいなかったように思います。  

 インターネットにおける情報は、どのように伝わり信じられるのか。あるいはどのように疑われ、ウソということにされてしまうのか。
 それがほんの少し垣間見えた気がして、とても貴重な経験でした。  
 念のために申し上げますと、わたしがブラックラグーンのアニメについてネットに書き込んだのは、ジェネオンの公式掲示板でカントクにご挨拶を申し上げた一度きりです。 (2006/09/15脱稿)