その4・シマリスとクロネコ

 先日のシマリスの続報です。ベランダが騒々しいのでのぞいてみたら、ドアをトントン叩いていたので捕獲しました。といっても、実際は大捕物。商売道具の指を噛まれて、あたりは血まみれなりました。
 
なにもないので、お隣さんから鳥カゴを借りて、とりあえず保護。
 ひと段落したところでネットをつなぎ、「リス 噛まれた 感染症」などのキーワードをググると、それはそれは恐ろしいページが何件もヒットしました。
  たまたま医者からもらった抗生物質があったので、すかさず飲みましたよ。その後、病院で話を聞くと(血液検査をしたばかりで結果を聞きに行く予定だった)「アレルギー症状」とか「アナフィキラシーショック」とかもありえるので、注意してくださいとのこと。

 ううむ。リスおそるべし。

 

  さて、リスはほぼ間違いなくペットだろうということで、飼い主探しのチラシを知り合いのデザイナーに作ってもらい、近所の掲示板に貼らせてもらいました。
 肝心のコイツは、お隣さんがしばらく預かるとのこと。
 ところが、このお隣さん。近所のクロネコの巡回先になっているのです。わたしも見たことがありますが、ちゃんと首輪をつけた飼いネコです。
 そいつがリスを見て、どう反応するかと思いきや、これがすこぶる機嫌が悪い。
 馴染みの場所によそ者がいる。しかもペットとして飼われているようではないか。と思ったのか、クロネコは寄りつかなくなったそうなのです。
 もっとも、完全に絶縁したわけではなく、これ見よがしに外を横切ったり、わざと目に付くところで何時間もあてつけがましく昼寝をしたりと、自分の不満を強くアピールしているとか。
 なるほど、ネコにもちゃんと心があるのですな。

 幸い、このクロネコの「抗議デモ」は短期間で済みました。
  先日、飼い主の人から連絡があり、リスは無事に引き取られていきました。つーか、もう逃がすなよ。
 クロネコも安心して、お隣さんのところへ遊びに来るようになったそうです。
 わたしも前歯が伸びたり、尻尾が生えたりということはありませんでした。でも、噛まれたキズが完全に消えるのには、もう少し時間がかかりそうです。