まだまだ寂しいとこで申し訳ないので、せめてものお詫びに何曲か用意してます。良ければ聴いていってください。
XG音源以外では良く聞こえないかもしれませんが、ご容赦を。
(特にVoice Oohs。声楽ソリストに当ててるんだが、XG音源以外だと何だこりゃって感じだ)
あと、予告なくMIDIデータを改良していることもありますので、ご容赦を。
ええと、あと、無断転載・二次加工を禁止します・・・とはいっても、そんな大層な代物でもないし・・・任す!
*あんまり音がよくないぞ、という方には、YAMAHAのHPからプラグインがダウンロードできますので、時間のある方はどーぞ。
曲名 | せつめい | 聴いてみますか? | ||
1.
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マタイ福音書7章12節、いわゆる「山上の垂訓」中のイエスの言葉がプレリュードとフーガ風の合唱で展開される。 |
![]() BWV24-3.MID |
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2.
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「キリスト降誕」のこの場面では、ソプラノが福音史家を担当する。東方三博士はテノール、バリトン、バスのソロによる三重唱。 | ![]() christ.MID |
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同上
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本来はフルオーケストラ伴奏ですが、低音と、最小限の伴奏にとどめてます。 | ![]() christus.MID |
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同上
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第2部「キリスト受難」から、群集の合唱のひとつ。合唱パートを弦、オーケストラはチェンバロ(もちろん、本来は使わない)と低弦に振り分けてます。 | ![]() hinweg.MID |
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3.
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男声無伴奏合唱曲の名作。 |
![]() beati.MID |
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4.
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アカイメネス朝ペルシアのキュロス2世が、新バビロニアの王ベルシャザルがこもるバビロン城内に攻め入る場面で歌われる合唱。 |
![]() Belshazzar.MID |
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5.
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バビロン捕囚により荒廃したエルサレムを嘆く、預言者エレミヤの歌(実際は後世の無名氏作とされる)。アレフとは、ヘブル語アルファベットの一、ローマ・アルファベットのAにあたる。この聯の(旧約聖書・哀歌1−1)頭の文字がアレフであることから、この聯は一般的に「アレフ」と呼ばれる。以下の聯も同じで、語頭の文字をとり「ベート」「ヘート」などと呼ばれる。 |
![]() jeremiah.MID |
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6.
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ご当地フランスでも「誰、それ?」という、どマイナーな方だが、日本ではこの荘厳ミサ曲で有名だ。グローリアがかっこいい。 | ![]() duhkyrie.MID |
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・同上
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![]() duhsanc.MID |
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7.
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ヨハネ受難曲を締めくくる、美しく、熱いコラール。 >おまけ オルゴールバージョン |
![]() achherr.MID |
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8.
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ヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂の楽長を務めた、後期ヴェネツィア楽派の大家として知られるロッティの3声のミサ曲。本来はハ長調、アルト・テノール・バスに第1、第2ヴァイオリンと通奏低音の編成だが、ここでは後世の男声アカペラ編曲版で。 そのままハ長調に移調したもの(ただし、当時のピッチもどきで半音低いロ長調)>lottikyrie2.MID |
![]() lottikyrie.MID |
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9.
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フースト城の廃虚をさまよう詩人の前に亡霊が現れ出で、過去を振り返っても何もならぬ、未来へ力強く踏み出せと諭す、そんな歌。前半の不気味な静けさから、火を噴くような終結へと盛り上がっていく。 | ![]() huszt.MID |
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10.
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イタリア音名のもととなった歌です。歌詞は以下の通り。 (間違ってたらすんません) Ut queant laxis Resonare fibris Mira gestorum Famuli tuorum Solve polluti Labii reatum Sancte Ioannes 各行の頭の音を、それに当てられた歌詞の音節、ウト・レ・ミ・ファ・ソル・ラで呼ぶようになったというわけです。ウトはのちにド(Dominusから、だっけ)に取って代わられました。シの音はこの曲には使われていませんが、後にこの歌の最終行、「サンクテ・ヨアンネス」の語頭のSとIを組み合わせて命名されたそうです。 |
![]() Ioannes.MID |
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11.
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現在では音楽部分が失われた(台本は現存する)「マルコ受難曲」(1731初演?)の復元の試みはいくつか行われている。 その中でこの、十字架上のイエスをあざける群集の合唱は、のちに作られた《クリスマス・オラトリオ》の第5部の合唱「新しく生まれたユダヤ人の王はいずこに?」の原曲とみる説が広く認められている。 Pfui dich, wie fein zerbrechst du den Tempel, und bauest ihn in dreien Tagan! Hilf dir nun selber, und steig herab vom Kreuze. "und bauest"以降がクリスマス・オラトリオの"Wir haben seinen Stern gesehen"にあたる。 サイモン・ヘイズ版を参考に、ごく単純に継ぎ接ぎ。 |
![]() Pfui dich.MID |
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12.
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このオラトリオの作曲中、ヘンデルは絶好調だった。渡された第1幕の台本にたちまち作曲してしまい、台本作者トマス・モレルが仕事の進行を見に来た時、ヘンデルは彼に言った。 「第2幕はどう続くのか」 モレルは驚いたが、 「イスラエル人の勝利の合唱で、“敵は倒れる、御身の敵はかく倒れる、おお主よ!”と続けようと思います」 と答えた。 するとヘンデルはチェンバロの前に座り、たちまち主題を作曲してしまったという。 セレウコス朝シリアの将リュシアスを破ったイスラエル軍の勝鬨の合唱。 Fall'n is the foe; so fall Thy foes, oh Lord ! Where warlike Judas wields his righteous sword . (01.02.13 オケ音量抑える) |
![]() Fall'n is the foe.MID |
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13.
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三位一体節後第21主日晩課のための作品。 男声合唱、伴奏はチェロとコントラバス。 合唱は3部で始まり、ソロを挟んで4部へと展開される。 そのミステリアスな導入の響きは、暗闇迫る夕暮れに行われる晩課にふさわしい。 全体は5つの部分に分けられ、これは1曲目の合唱。 Adspice, Domine, de sede sancta tua et cogita de nobis. Incrina Deus meus aurem tuam et audi; Adspice, Domine, de sede sancta tua. (主よ、その聖なる御座より見そなわし、 われらを御心にとどめたまえ。 わが神よ、御身の耳を傾け聞きたまえ、 主よ、その聖なる御座より見そなわしたまえ) |
![]() Vespergesang.MID |
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14.
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聖霊降臨祭用カンタータ。ハ長調稿で。 聖霊降臨祭(ウィトスンあるいはペンテコステ)は、降誕祭(クリスマス)、復活祭(イースター)と並ぶ三大祝日のひとつ。この日使徒たちの上に聖霊が臨み、彼らは異言(諸国民の言葉)を話すことができるようになったという。 Erschallet, ihr Lieder, erklinget, ihr Saiten! O seligste Zeiten! Gott will sich die Seelen zu Tempeln bereiten. (響け、汝ら歌よ、鳴り渡れ、汝ら弦よ! おお、いとも幸いなる時々よ! 神は魂を神殿へと備えたまわん) (01.01.17半音落とし、ややテンポup) |
![]() BWV172.MID |
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15.
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三位一体節後第3主日のためのカンタータ。ハ短調稿。 この日に教会で朗読された福音書章句はルカ15:1−10、「見失った羊」のたとえ。天は、99人の義人よりも悔い改める1人の罪人のほうを喜ぶという教えをあらわす。このカンタータもそれに基づき、罪人の改悛と喜びへの転化を歌う。 ハ短調のシンフォニアの後を受ける冒頭合唱は、疲れ果てた嘆息のような“Ichわたしは”の三唱で始まるが、曲が進むにしたがって次第に曲調は喜びへと変わってゆき、この終曲合唱で神を高らかに讃美して締めくくられる。 テクストは、ヘンデルの《メサイア》の終曲合唱とほぼ同じ箇所を引用している。 「ほふられた小羊は、力と富と知恵と威力と栄光と誉れと賛美とを 受けるにふさわしい。 (ヨハネ黙示録5:12より) 賛美と栄光、誉れと力が、世々限りなくわれらの神にあらんことを、アーメン。 (ヨハネ黙示録7:12より) アレルヤ!」 クリスマス版から半音落とし、テンポを変更。 (00.01.26各所微修正) |
![]() BWV21-11.MID |
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16.
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モーツァルトと同時代人で、当時のウィーンの実力派音楽家だったアイブラーが1803年に作曲したレクイエム。彼は後にサリエーリの後任として宮廷のカペルマイスターとなった。 彼は最初にモーツァルトのレクイエムの補筆完成を依頼された人物として知られる。 ちょっとくわしい説明はこっちを見ていただくとしましょう。 。 Cum sanctis tuis in aeternum: Quia pius es. (御身の聖人たちとともにとこしえに。 御身は慈悲深くいませばなり) うーん、速すぎた。cpoのヘルビヒ盤より20秒速い。 |
![]() Cum_sanctis.MID |
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17.
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三位一体節後第9日曜日のためのカンタータ。 第1曲合唱のテクストは詩篇143(賛歌、ダビデの詩)の第2節。 前半はアダージョ。合唱の4パートが、おののき震えるような伴奏に乗って「主よ、裁きたもうな、御身のしもべを」と哀願するように口々に呼び交わす。そして、「Denn何故ならば」とのテノールの鋭い切り込みとともにアレグロに転じ、「御前に義とされるもの、生あるものの中には無し」と厳しく告げるフーガに突入する。フーガの最初は通奏低音と声楽から始まり、これに器楽が次々に参加して盛り上げてゆく。 フーガ冒頭はソリストが歌うよう指定する楽譜もあるが、とりあえずすべてトゥッティで演奏した。 Herr, gehe nicht ins Gericht mit deinem Knecht. Denn vor dir wird kein Lebendiger gerecht. おまけ: ソリスト>コーラスへの階梯構造にした場合 各パートソロ終了となる小節1拍目の音節"recht"にコーラスの出だしの言葉"Denn"を補って重ねる(ガーディナー盤はこうやっている)。 (00.03.02、パートソロ部分のバランス変更) |
![]() BWV105-1.MID |
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18.
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コンスタンツェ・ヴェーバーと結婚したモーツァルトは、1783年8月、彼女を伴って父レーオポルトのいるザルツブルクへ旅行した。このとき彼は、自らの結婚の心からの誓約の証として新しく作曲した「キリエ」と「グローリア」を携えていた。10月26日、聖ペテロ教会でこのミサ曲は演奏され、コンスタンツェはソプラノ・ソロを担当し、見事に歌ったという。 このときのミサは、キリエとグローリアのみで構成される「キリエ・グローリア・ミサ」であったらしい。この部分は1785年、カンタータ《悔悟するダヴィデ》K.469に改作転用された。 (こいつはシギスヴァルト・クイケンがドイツ・ハルモニア・ムンディに録音してる) その後、彼はクレド以降の作曲を始めたが結局中断され、未完となっている。 (00.02.24:さらにスピードアップ) |
![]() Mozgloria.MID |
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19.
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三位一体節後第10日曜日のためのカンタータで、1723年、BWV105を演奏した次の週に初演された。 この日に朗読された福音書章句はルカ19:41〜48、イエスのエルサレム崩壊の予言と神殿からの商人の追放。これに基づき、第1曲の合唱のテクストは荒廃したエルサレムを嘆くエレミヤ哀歌(1:12、ラメド)から採られた。 前半は、二本のリコーダーが絡み合うように荒れ果てた都のさまを描写する。合唱も沈痛な面持ちで、「目を留めて見よ、かかる苦しみあるや、われを責めるこの苦しみほどの・・・」と歌ってゆく。そして一転、ウン・ポーコ・アレグロになってテンポを速め、「そは主がわれを嘆きで満たせしゆえなり、その激しき怒りの日に」と峻烈なフーガを展開する。 フーガ主題の半音下降音型(“Jammer嘆き”という言葉に当てられる)は強烈な印象を与える。 ちなみに前半部分はミサ曲ロ短調・グローリアの「クイ・トリス」に転用されている。 (01.5.09、第1曲全曲に差し替え) |
![]() BWV46.MID (第1曲全曲) |
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BWV46.MID (後半フーガ) |
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20.
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自作の誕生日祝賀用カンタータ《消え去れ、心の煩いよ》BWV249aの改作で、1725年の復活祭に初演。 シンフォニアの後冒頭合唱が歌われ、その後レチタティーヴォとアリアが交互に配される。最後にバスのレチタティーヴォ「われらは喜び」を受けて、この曲が歌われる。 3本のトランペットとティンパニを用いる華やかな合唱曲で、後半は8分の3拍子の浮き立つようなリズムで一気にクライマックスへと登りつめる。 Preis und Dank bleibe, Herr, dein Lobgesang! Holl und Teufel sind bezwungen, ihre pforten sind zerstort, Jauchzet, ihr erlosten Zungen, daβ man es im Himmel hort! Eroffnet, ihr Himmel, die prachtigen Bogen, der Lowe von Juda kommt siegend gezogen! [太字の母音はウムラウト付き、エス・ツェットはギリシア・アルファベットのベータで代用] (讃美と感謝が、主よ、常に御身の讃歌であれ! 冥府と悪魔は屈服し、彼らの門は崩壊した。 歓呼せよ、贖われし舌よ、天にまで聞こえるように! 開け、天よ、その輝けるアーチを、 ユダの獅子《=イエス》は勝ちて昇りたもう!) 2002年の受難週は3月25日から。受難日である聖金曜日は29日、復活祭はそれから3日目の3月31日。 復活祭の日は、「春分のあと、初めての満月の日に次ぐ日曜日」と第1ニカイア公会議(325年)で決定されているそうです。よって毎年、日が違います。 (01.4.03、楽譜における8分音符−16分音符のリズムを三連符における4分音符−8分音符に変更) |
![]() BWV249.MID |
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21.
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宗教改革記念日(10月31日)用カンタータ。 宗教改革者として知られるマルティン・ルター作のコラール「われらが神は堅き砦」全4節をベースに、レチタティーヴォとアリアを織り交ぜた勇壮無比の作品。 この作品の原型は1715年に作曲された。その後ライプツィヒ時代に改作され、現在の形となったらしい。 楽譜に見られる3本のトランペットとティンパニは、彼の死後、息子のヴィルヘルム・フリーデマンが加筆したもの。よって、ここではカット。
「我らの力は無に等しく、われらはもろくも敗れ去る。されどわれらのために戦う義人あり、そは神が自ら選びたもう者。汝、彼の名を訊ねるか?彼の名はイエス・キリスト、万軍の主にして、それ神に他ならず。彼、戦場を支えたもう」と続き、勝利へとつながってゆく。 おまけ: W.F.バッハ加筆バージョン 3本のトランペットとティンパニを加えてより戦闘的になっている。 それに合わせてテンポもアップ。 ティンパニ・パートはちょっと適当なので、CDよく聴いて修正するかも。 |
![]() BWV80.MID |
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22.
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モーツァルトの作品番号の最後を飾る「死者のためのミサ曲」は、彼の死によって未完となった。 補筆完成の作業は、彼の死後すぐのアイブラー、フライシュテートラー、ジュスマイヤーに始まり、 最近ではバイヤー、モーンダー、ドルース、レヴィンらが行っているが、結局は一番最初に完成されたジュスマイヤー版がスタンダードなものと認識されている模様。 モーツァルトのこのレクイエムの冒頭のすばらしい導入は、ヘンデルの作品、 キャロライン王妃の葬送アンセム《シオンに上る道は悲しみ》 の冒頭合唱に着想を得ている(聴けばすぐにわかる)が、この鮮やかな二重フーガをもつキリエも、 イングランド国王が自ら戦場に立った最後の戦いとして知られる「デッティンゲンの戦い」 (その国王はご存知ジョージ二世)の戦勝を記念して《デッティンゲン・テ・デウム》とともに作曲された《デッティンゲン・アンセム》の終曲合唱「アレルヤ」 (これは半年後に作曲されたオラトリオ《ヨセフとその兄弟たち》にそのまま転用された) より着想を得ている。 元曲はとても華やか(ニ長調)でフーガは自由に展開していくが、これを厳粛な二重フーガに仕立て上げたモーツァルトの力量はさすが。 「クリステ・エレイソン」をバスから順に積み上げて盛り上げていく箇所は圧巻。 |
![]() Mozrqkyrie.MID |
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23.
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聖ミカエルの祝日(9月26日)のためのカンタータ。 『さて、天では戦いが起った。ミカエルとその使いたちが、竜に戦いを挑んだのである。竜とその使いたちは応戦したが、勝てなかった・・・』 ヨハネ黙示録12.7−8の記述をベースにして作られた激烈な合唱。
トランペット・パートが一部よくわからないが、これでも雰囲気は出てるでしょう。 |
![]() BWV19.MID 快速。 (4分9秒) |
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![]() BWV19slow.MID ゆっくりめに。 ていうかまともなテンポ。 (4分23秒) |
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24. J.S.バッハ 《クリスマス・オラトリオ》第2部より 合唱「天のいと高きところには神に栄光」 |
野宿する羊飼いの前に現れた御使いと天の軍勢による、美しく軽快な合唱。
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![]() Ehre.MID |
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25. 黒人霊歌“Elijah Rock” |
混声合唱だけどベース大活躍の編曲が良し。 Elijah Rock, shout, shout! Elijah Rock, Comin' up, Lord!... Satan's a liar an'a conjur, too, If you don't mind out, he'll conjur you. If I could, I surely would just stand on the rock where Moses stood. Rock a Elijah Rock, Shout, shout about Elijah,Elijah, Elijah Rock, We're gonna shout, shout! Shout about Elijah Rock Comin' up, Elijah Rock, Shout,shout!..... Elijah(イライジャ)とは、旧約聖書においてモーセと並び称される預言者エリヤのこと。「列王記・上」にその事績が記される。 バアル信仰に染まったイスラエル王国を彼らの主ヤハウェの信仰へ立ち帰らせた偉大な預言者で、その役目を果たすと主の遣わした火の戦車に乗って昇天した。彼の名の意味は「主(ヤー)は神(エリ)なり」。 |
![]() Elijah_Rock.MID |
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26. ジョージ・フリデリック・ヘンデル グローリアより 「聖霊とともに」 |
先年、ヘンデルの作と正式に認められた、 ソプラノ・ソロと弦楽、通奏低音のためのカンタータ形式の「グローリア」。 最後を締め括る「聖霊とともに」は、華麗極まりないコロラトゥーラの超絶技巧の見せ所だ。 |
![]() gloria.mid |
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27. J.S.バッハ カンタータ第64番 《見よ、父のわれらに賜いし愛のいかなるかを》BWV64より 第1曲合唱 「見よ、父のわれらに賜いし愛のいかなるかを」 |
降誕祭第3日、つまり12月27日のためのカンタータで、 クリスマスの音楽とは思えぬ厳粛な一曲。 この日の礼拝で用いられたヨハネ福音書冒頭よりの14節に基づき、 イエスの誕生を「そして(神の)言葉は肉体となり、わたしたちのうちに宿った(14節)」 という神の大いなる愛の顕現としてとらえ、 冒頭合唱には新約聖書より「ヨハネの第一の手紙」第3章1節を引用している。 ちなみにメンデルスゾーンのオラトリオ《聖パウロ》の第43曲合唱もこの箇所の引用。
トゥッティの「見よ!」という呼びかけの後、厳粛な対位法が開始される。 メリスマの中、2パートが「見よ、見よ!」と雲間からの雷電のごとくさかんに掛け合い促す。 声楽パート(伴奏のコルネット、トロンボーン、ヴァイオリン、ヴィオラは声楽に重ねられる) は収束せずフーガを繰り広げながら徐々に昂揚していき、それが頂点に達したとき、 冒頭1小節以来のトゥッティで“daβ!!”と叩きつけ(この瞬間が最高)、 そのまま「われらが神の子と呼ばれんがために」と締め括られる。 このMIDIデータでは弦楽はカット、伴奏はコルネット(ホルンで代用)、トロンボーンと 通奏低音のチェロ、コントラバス、オルガン、チェンバロのみ。 |
![]() BWV64-01 |
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28. フェリクス・メンデルスゾーン・バルトルディ マニフィカト ニ長調より 第3曲合唱 「その御憐れみは (エト・ミゼリコルディア)」 |
1819年、10歳でカール・フリードリヒ・ツェルターに師事したフェリクスは、 あらゆる分野の音楽の作曲を始めた。 このマニフィカトは、1822年3月19〜31日の間に作曲されたもの。 合唱、ソロ、管弦楽のための作品で、7つの部分に分かれたカンタータ形式。 調性からいっても、大バッハのマニフィカトを参考にしたことは想像に難くない。
この部分は合唱と弦楽のみで構成され、 後に作曲される男声合唱とチェロ・コントラバスのための作品、《晩課の歌》を想起させる。 ホモフォニックな「その御憐れみは」から突如ポリフォニックな「世々限りなく・・・」 へ変移する場面は見事。13歳でここまでやるとは。 冒頭合唱も祝祭的で晴れがましく、続くソプラノ・アリア&女声合唱は、 バッハの同一箇所アリアとフェリクスの後の作品・詩篇42の第2曲アリアを 足して2で割ったような魅力的な一曲。 合唱「栄光、父と子と聖霊にあれ・・・」からフーガ「初めにありしごとく」へのプロセスには、 「やはりコイツは天才・・・」と唸らざるを得ない。 |
![]() Et misericordia |
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次回予告:J.S.バッハ、カンタータ第19番《戦い起れり》より第5曲、テノールのアリア「汝、御使いはわが元に留まりたもう」 ・・・つって、いつまでほったらかすのやら。 |