ふぁいなりすと
(プレイステーション2)

「ふぁいなりすと」は、恋愛物のテキストアドベンチャーゲームです。
選択肢によってストーリーが分岐していき、様々な結末を迎えます。
制作、リリースともプリンセスソフト。
担当は企画。
具体的には、全シナリオを担当したのをはじめ、内容面全般に渡って監修しています。

「φなる・あぷろーち」を書き上げた後、ありがたいことにプリンセスソフトさんから「もう1本書きませんか」というお申し出をいただきました。
で、打ち合わせにうかがったところ、「ものすごく大きな学園を舞台にした作品が欲しい」というリクエストがありまして。
「大きな学園」→「じゃぁ、高校だけで3つあるとか」→「あぁ、それが男子校、女子校、共学ってことにしよう」とさらさらと連想は進み、「女子校に放りこまれて苦労する主人公」というネタに行き着きました。
そこから「一見、女の子みたいな名前」ということで主人公を「白鷺美樹」と命名、前例に従って(?)名字はサ行で統一してます。
で、ヒロインの名前については、「ともえ」→「しずか」と来たんで、「次は政子か?」と。(笑)
しかし、「子」のつく名前は最近すっかり下火なので、却下。
色々な連想の果てに「たまも」で決着しました。

で、「φ」シリーズ2作目ということで「ふぁい」を含むタイトルになっている本作ですが、プレイしていただければおわかりの通り、「φなる・あぷろーち」との内容的な接点は全くありません。
企画を立ち上げたときにはそんな話はなかったんですから、当然ですけどね。(^^;
タイトルも、途中までは全然違うものでした。
その名残は、シナリオのごく一部に残っていたりします。
どこを指しているのかは…読めばわかりそうな気がするので、正解はあえて伏せましょう。(笑)

それから、発表当初はヒロイン格扱いだった寮長なんですが、最初は千紗先生と共に、珠萌、炎夏、真沙穂に次ぐ第4のヒロイン候補でした。
しかし、そうなると同い年が2人、年上が2人なんですよね。
で、「1人くらい年下キャラが欲しい」と言われ、先生ルート、寮長ルートは諦め、和奏ルートを作ることにしました。

また、「φ」と比べると1人攻略キャラが少ないですし、イベントCGの枚数にはかなり余裕を見こめるというお話でしたので、固有ルートへの分岐を少し遅めにして、選択肢次第で様々なイベントを通過していき、そこからキャラ別の固有ルートに入るような形にできないか…と考えていました。
(序盤の体育の授業、キャラごとに違うパターンが用意してあるところに、その名残が見られます)
しかし、1人目の真沙穂を書き上げた時点で、その案は断念せざるをえなくなりました。
「固有ルートで使うイベントCGの枚数は全体の半分くらいにしておいて、余った分で共通ルート用のイベントを書こう」なんて考えていたんですが、余りゃしません、そんなもの。(笑)
あればあるだけ使っちゃうものなんですよね…。(^^;

そんなわけで、今回も完成までには様々な紆余曲折がありました。
「φ」が出たとき「シナリオを書き上げてから実際にリリースされるまでに1年半以上が経過するっていうのも、多分、最初で最後じゃないか」などと書いたわけですが、今回は「φ」を上回る時間が経過してしまいましたしね。(笑)
本当、なにが起こるかわかりません、世の中。


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