(プレイステーション2)

「侍」は、明治初期の宿場町にふらりとやってきた侍を主人公とする、アクションアドベンチャーゲームです。
会話における選択肢はもちろん、抜刀、納刀、攻撃などの行動によってもストーリーが分岐していき、様々な結末を迎えます。
制作は(株)アクワイア、リリースは(株)スパイク。
担当は企画。

「プログラムが組めて、シナリオを書ける人」という、ちょっとレアな(?)条件に、自分はうってつけだろうと思い、参加することにしたのですが、途中から完全にシナリオ側に移行しました。
シナリオと言っても、いつものように文章を書いていれば良いわけではなく、それぞれの場面に応じて、選択肢はもちろん、プレイヤーの取れる行動に対して分岐を作らなくてはいけなかったのですけど。
担当は赤玉ルート全般、宿場ルートの後半、赤黒合同エンド…これで全部かな?
約半分ですね。

これまでは恋愛物ばかり書いていましたが、幕末を題材にした小説も、司馬遼太郎さんの作品のほとんどを網羅する程度には(念のため。自慢じゃないですよ。幕末関係は、好きな方は本当に好きで非常に詳しいですから、そういう方々に比べれば大したことはありませんが…という意味です)好きですから、そういう意味での苦労はありませんでした。
また、一緒にシナリオを担当なさった方が非常に頑張ってくださいましたので、その分、私は楽をさせてもらいました。(笑)
そうですね、プロジェクトを幕末でたとえるなら、私は坂本龍馬のような位置づけにいたんじゃないかと思います。
薩長の人間と違って、実際に戦争を指揮したり、政治に参加したりして苦労しなかった、終わりを見届けることもなかった、という意味で。(笑)

恋愛物でしか私を知らない方は面食らうかもしれませんが、私を知っている人間なら「あぁ、非常に三浦らしい」と言う内容なんじゃないかな、なんて思います。
えぇ、助けを求める女の子に、見返りとして「一晩つきあえよ」って選択肢を用意したのも、挙げ句の果てに助けなきゃいけないキャラを殺してお金を横取りできるようにしたのも、いきなり汽車に轢かれて死ねるのも、全部私の仕業です。(笑)
(え、「一晩つきあう」ですか?
 やだなぁ、徹麻に決まってるじゃないですか。
 なんだと思ってたんです?)
残念ながら、私の仕事は作品が最終的に詰められていく、その一歩手前で終わってしまったので、どんな仕上がりになったのか、自分の目では確認できていませんが、雑誌の評価は概ね好評のようで、ホッとしています。


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