どっきん心理ゲーム
(ピクノ)

ピクノ…と言ってもご存知ない方が多いかもしれませんね。
コナミが出していた、お絵かき用ハードです。
感圧式のシートと専用のペン(と言っても、ただの鉛筆型のプラスチックですけど…)、特定の機能を呼び出すためのいくつかのボタンで成り立っていました。
お絵かき用ハードと言っても、つなぐのは普通のテレビですし、プリンタも付属していませんけどね。
(2000年8月現在、既に製造中止になっているはずです。
 入手はかなり困難でしょう)
当初はマニア向けに企画された…と聞いたような気がしますが、私が携わった頃には子供向けの知育玩具としての色合いを強めていました。
しかし、セガ社にも「ピコ」というハードがあり、こちらが最初から子供向けに特化されたものであったのに対し、ピクノは設計思想の出発点からして、少々高めの年齢層を狙わざるをえない苦しい立場にあったように思います。

この「どっきん心理ゲーム」は、小学校低学年の女の子をターゲットにした、占いなどを題材とする作品です。
制作、リリースともコナミ(株)。
もうずいぶん昔の作品ですので、記憶も多少あやふやな部分がありますが…。
担当は、プログラム(使用言語はアセンブラ)と企画。
…と言うより、職制として「企画」が独立していないため、チーム員全員でアイデアを出し合って中身を決める、という体制です。
大まかに「こんな作品」という指針は定められていましたが、具体的な仕様については未定の部分が多く、私の意見もだいぶ取り入れてもらいました。

4つのモードがあり、そのうち2つを担当しました。
1つはバイオリズムによる占い。
誕生日と占いたい日を入力すると、その日の運勢が点数とコメントつきで表示されるものです。
コメントは当然、私が書いたんですが…。
そのせいで、妙に気合いの入った熱血調のものになってしまったような気がします。(笑)
もう1つは、性格分析に基づき、「あなたにピッタリの旦那様はこんな人☆」という診断結果を表示するものでした。
最初にいくつかの質問に答えてもらい、それによってプレイヤーを性格の面からいくつかのタイプに分類、それに応じてふさわしい相手のタイプが選択されます。
相手がどんな人かのコメントも私が書きましたが、こちらはハートマークの飛び交う、「いかにも」な雰囲気にしました。
「読んでるだけで背中がかゆい」とか言われた覚えがあります。(笑)
でも、これだけではピクノでやる意味がありませんよね。
星占いの本でも買ってくれば、それで事足りる話です。
そこで、いくつか顔のパーツを用意して、それらを合成して顔を表示していました。
ほら、「こういう眉毛の人はこういう性格」とか、「こういう鼻の人はこんな癖がある」とかってあるじゃないですか。
あれを逆手に取って、導き出された相手の性格を元にパーツを選択して、組み合わせたんです。
デーモン小暮のような髪型が含まれているなど、少しお遊び要素も入っていますが、一応、ちゃんと考えて作りました。
厳密なものとはお世辞にも言えないでしょうが、作ってて楽しかったのは確かですし、実際に買った人の評判も良かったと聞いています。

この作品に携わっている間、ピクノ用のプリンタをおもちゃショーに参考出展することになり、幕張メッセでロゴ入りTシャツを着て説明員をやったり、背広を着てデパートに赴き販売員をやったり、面白い経験をさせてもらいました。


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