スペインサッカー観戦弾丸ツアー旅行記

「φナル」のシナリオを書いていて結構長い間ひきこもるハメになった反動か、サッカー好きの知人が今年も観戦ツアーを企てていることを知って、「俺も行く!」と飛びついてしまいました。
航空券や宿の手配は「1人も2人も一緒だろう」とその知人に押しつけ(笑)、その間に次回作の企画にどうにか格好をつけて、4月18日、晴れて国外逃亡。

お目当ては、サンティァゴ・ベルナベウで行われるレアル・マドリー(以下、マドリー) vs バルセロナ(以下、バルサ)。
「クラシコ」と呼ばれる伝統の一戦です。
極めてミーハーな選択ですが、せっかく遠いところまで見に行くんですから、面白い試合が見たい…と言うか、つまらない試合は勘弁してほしい。
いや、近場でもつまらない試合は勘弁してほしいですけどね。(^^;
そんなわけで、盛り上がる確率の高いカードを選びました。
…が。
実は、ちょっと不安もあったんです。
2002-2003シーズンのバルサは、チャンピオンズリーグ(以下、UCL)序盤こそ無敗街道をひた走りましたが、国内のリーグ戦ではかなり低調。
UCL圏内はおろか、UEFA杯圏内にも届くかどうか微妙で、ちょっとコケれば降格圏内という順位に甘んじていました。
観戦ツアーの話を始めた時期は、ちょうど監督が交代する前後で、試合を見ていても全然面白くない。
それでも、日頃の調子がどうであれこの試合だけは別だろう、そうであってほしいと祈りつつチケットを手配しました。
ついでに、と言うのもなんですが、ヨーロッパくんだりまで行くからには1試合だけ見て帰るのは惜しい。
幸いにして数日後にUCLが控えていましたので、これ幸いと寄り道して帰ることに。
「事実上の決勝戦」との呼び声も高い、マドリーとマンチェスターユナイテッドの対戦が組まれていたんですが、マドリーはクラシコで見るからいいやということで(あと、第1戦が、結果はもちろん内容的に点差以上の開きが見られたので)バレンシア vs インテルに決定。
物好きが2人も揃ったもんだから、ちょっと渋めの試合が選ばれます。(笑)

イラク攻撃もSARSもどこ吹く風で成田から空路オランダへ。
戦争(と言うか、国家によるテロですかね、あれは)してたのは事実ですけど、サッカーの試合だってやってますからね。
問題ない、問題ない。(笑)
問題は語学能力。
私は、日本語で飯を食ってるわけですが、英語なんか学校で習ったきりです。
いきなりコケたのはオランダへ向かう飛行機の機内食でした。
メニューが2種類あって、「beef or duck ?」と聞かれたんですが、「beef or dog ?」と聞こえてしまい、びっくり。
「いや、俺は韓国人じゃないんだけど」などとボケをかましたいところですが、通じないこと請け合いなのでこの旅行記まで取っておきました。(笑)
13時間を超えるフライトの末、オランダ・スキポール国際空港に到着。
そこで飛行機を乗り継ぎ、さらに2時間かけてスペイン・バラハス国際空港に向かいます。

スペインに着いて最初に感じたのは、空気の匂いが違うということでした。
そのときはなんとも表現のしようがなかったのですが、後にオリーブのピクルス(?)を食べた際、「あぁ、この匂いだ」と思いました。
なんでも外国人が日本に着いたときは、しょう油の匂いを感じるそうですから、そういうものなのかもしれません。
空港からは地下鉄でマドリー市内へ。
地下鉄に乗る際、回数券を買いました。
何回乗れば元が取れるのか、とか考えてしまうのが我ながらしみったれてますが、もっとしみったれてるのは日本の鉄道会社です。(断言)
地下鉄の回数券は10回分の乗車券になるわけですが、5〜6回も乗ればお釣りが来るだけの値段でした。
10回分相当の料金を支払ってようやく1回分浮くだけの日本の回数券は、かーなーり、コストパフォーマンスが悪いですね。
(これに限らず、総じて交通費は安かったです。物価自体はそれほど違いを感じませんでしたけど)
ホテルにチェックインを済ませ、フロントに預かってもらっていた試合のチケットを受け取ります。
同封の座席表で確かめてみると、バックスタンド1階のコーナーフラッグ間近、なかなか良い席です。(^^)
それから、夕食がてら街へ繰り出すことに。
その際、貴重品を保管するためのセーフティボックスを使わせてくれとフロントに頼んだわけですが…。
通じるじゃん、学校英語。
よく、「学校で習った英語じゃ通用しない」とか言われますが、あれは英語教育に力を入れさせようとする何者かの陰謀ですね。(笑)
もちろん、定住して勉強なり仕事なりしようと思えば、もっとしっかりした語学力が必要になるんでしょうけど、旅行程度なら十分間に合います。
ホテルのフロントは、まぁ、仕事ですから当然かもしれませんが、後にバレンシアのスタジアムでも「ここ、空いてる?」「いや、女の子が3人座ってる」なんて会話が向こうの青年と普通に成立しましたし。
もし通じないとしたら、それは相手にこちらの言うことを聞き取ろうという意志がないんでしょう。
…というようなことを書くのは、英語教育より国語教育に力を注ぐべきだと思う私の陰謀です。(笑)
それはさておき。
到着した日がちょうどキリスト教関係の祝日かなにかに該当していたようで、ホテルを出てすぐの通りでパレードやってました。
が、興味ないのでやりすごし、道なりに歩くことしばし。
ゲーセンを見かけて思わず立ち寄ってしまうのが、業界人の悲しい性(?)。
並んでいるゲームは見覚えのあるものばかりで、「マドリーまで来てやることがこれかい」と自分にツッコミを入れつつDDRの筐体にコインを投入、フラメンコの本場で拙いステップを披露してきました。(笑)

翌日。
試合は夜になってからなので、昼間は適当に時間を潰すわけですが…。
サッカーがなければスペインという国とは縁がなかっただろうなぁ、と痛感しました。
ガイドブック等を見ても、美術館とか博物館が多く紹介されているんですが、正直、興味ありません。(^^;
ピカソの「ゲルニカ」とか見たところで、美術に造詣のない人間なので、ありがたみを感じませんし。
で、とりあえずマドリーにあるもう1つ(正確に言うともう2つのうちの1つ)のチーム、アトレチコ・マドリーのホームスタジアム、ヴィンセント・カルデロンを見に行きます。
…こっちこそ、スペインサッカーに興味のない人にはありがたみもへったくれもないでしょうけどね。(笑)
ヴィンセント・カルデロン
このスタジアム、5万人ほど収容の規模なのですが、面白いことに観客席の下がトンネルになっていて、そこを車がばんばん通っていきます。
こういうの、土地の狭い日本でこそ見られそうな建築なのになぁ、と思いながら眺めつつ一回り。
次いで、試合会場の下見を兼ねてサンティァゴ・ベルナベウへ向かいます。
チケットを買ってトロフィールームへ。
最初にスタジアムのなかをのぞいてみましたが、観客のいないスタジアムは「国立競技場より一回り大きいな」くらいの印象で、思ったほど大きいとか圧倒されるとか、そんな感じはしません。
ベルナベウ・トロフィールーム
そして、ずらずらと並んだトロフィーをざっと見て回ります。
…が、とにかく数が多い。(^^;
1つ1つに意味があるんでしょうけど、あまりにたくさん並んでいるので、かえってありがたみを感じなかったりします。(笑)
UCL 優勝トロフィー
一番大きくディスプレイされていたのは、やはりと言うか当然と言うか、UCLの優勝トロフィーでした。
トロフィールーム出口付近は物販コーナーになっていて、満員電車状態でした。(^^;
そんなの日本国内だけで十分、海外に行ってまで体験したくありません。
…というわけで早々に抜け出し、スタジアムを半周してオフィシャルショップへ。
日本人向けおみやげ!?
そしたらまぁ、なんとこんなもの売ってました。
日本人観光客、少なくないんでしょうね。
とはいえ、このセンスはあんまりだと思うわけで。(^^;
現地で見れば笑うだけで済みますが、国内に戻って着るのはちょっと恥ずかしいので、写真に収めるだけにしておきました。
その後、残り半周していたら、セルジオ越後さんにばったり。
微妙に機嫌悪そうな顔してましたけど、「こんにちは」と声をかけたら、ちゃんと返事してくれました。
(後日判明したところでは、隣に金子達仁さんがいらしたそうなんですが、気づきませんでした)
そのまま進んでいくと、なにやら人だかりが。
車が次々とスタジアムに入っていくんですが、どうやらこれが選手達だったようです。
私が確認できたのはラウルだけでしたけどね。
その後、食事を済ませて一度宿に戻り、一応は観光名所と呼ばれる場所も見ておくかとスペイン広場へ。
ドンキホーテの彫像に「良いシナリオが書けますように」と手を合わせます。(笑)
蝋人形館は、なにやら新しい出し物ができたらしく、入場待ちの行列ができていたのでパス。

…とかやっているうちに出かける頃合いになったので再びサンティァゴ・ベルナベウに向かいました。
到着してみると、めっちゃくちゃ人が多いです。(^^;
スタジアム周辺の道路、最も混んでいるところでは、マジで身動き取れないくらい。
人混みをかき分けかき分け、売店でボカティージョ(ハムをコッペパンで挟んだもの)を買って席に着きました。
余談ですが、当時UCLでゴールを決めて株を上げていたポルティージョというFWがいます。
私、この「ポルティージョ」と「ボカティージョ」がごっちゃになって、どっちがどっちか頭のなかで一度確認してからでないと、口に出せませんでした。(笑)
同行した知人の話によると、あまり雨は降らないらしいんですが、小雨のぱらつくあいにくの空模様。
売店で雨合羽を買い、ボカティージョをぱくつきながらキックオフを待ちます。
試合直前のベルナベウ
少し早めに着いたので、最初のうちは空席も目立ったのですが、キックオフが迫るにつれ徐々に席は埋まっていきました。
8万人近く入るスタジアムの場内、ほとんどがホームチーム(マドリー)のサポーター。
アウェーチームのサポはごく一部です。
で。
バルサの選手達がアップのためにピッチに出てきた瞬間、この8万近い人間が一斉に敵意剥き出し、口笛を吹き鳴らしての凄まじいブーイングを浴びせました。
誇張でも比喩でもなく、全身に鳥肌が立ちました。
正直言って、かなりびびりました。(^^;
こりゃぁ、選手達にも影響がないはずはありません。
ホームと言い、アウェーと言う。
その言葉の意味を、この瞬間やっと私は理解した気がします。
Jリーグでは「ホーム」「アウェー」という言葉にここまで強い意味はありません。
試合によってはアウェーチームのサポーターのほうが多かったりしますし(笑)、場内アナウンスで彼らに向かって「今日はどこそこのスタジアムへようこそ!」なんて言っちゃったりするくらいです。
善悪を論じるつもりはありませんが、とにかく日本とは決定的に違うと感じたのは、選手の質よりなにより、このスタジアムの異様なまでの雰囲気でした。
先のW杯で日本は16強止まり(それでも十分大したことですが)、韓国はベスト4まで行ってしまった、その差は、もしかしたらここにあるのかもしれません。
トルコ戦は現地まで見に行きましたが、スタジアムの雰囲気はとてもとても「この」ヨーロッパで戦っている選手達に「アウェー」を感じさせるものではありませんでしたし。
Jリーグでここまでやれとは言いません。
それやると、スタジアムというものが一見さんにとって敷居が高くなりすぎる気がしますから、まだまだ裾野を広げていかなければならない日本サッカー界にとってはマイナス。
が、W杯予選のときくらい、相手チームにこの「アウェー」を感じさせないといけないんじゃないかなぁ、と思ったりします。

選手入場時のベルナベウ
「これが世界のサッカーの現実なんだなぁ」なんて感慨にふけっているうち、選手入場。
場内は総立ちで選手達を迎えます。
そして試合が始まったんですが…。
マドリーの調子はイマイチでしたね。
特にジダンはキレがなかったような気がします。
いくらロナウド、ラウルといった強力なFWがいたって、そこまでボールが届かないんじゃどうしようもない。
逆にバルサは、負傷で長期離脱を余儀なくされていたルイス・エンリケが、調子は万全ではないはずなのに気迫のこもったプレイで食らいつき、とてもそれまでと同じチームとは思えないほどでした。
攻めるマドリー、守りを固めてカウンターを狙うバルサ、しかしマドリーはボールこそ持っていますが、なかなか崩し切れません。
どちらのチームにもそれほど強い思い入れがない以上、弱いチームに肩入れしたくなるのが「判官贔屓」という言葉のある日本人。(笑)
このまま試合が進んでいけばもしや…と期待しないでもなかったのですが、波乱の予感を吹き飛ばしたのは、ロナウド。
前半15分頃だったでしょうか、バルサのDFラインが崩れたところ、やっと通ったパスを、あっさりと押しこんでくれやがります。
リズムがあまり良くないなか、ワンチャンスをものにしてゴールを決める決定力は見事の一言です。
これで流れが変わり、マドリーが一気にたたみこむかとも思われました。
しかし、今度はその予感を一人のバルサの選手が覆しました。
前半30分頃、押しこまれる苦しい展開のなか、「点を取るにはこれしかない」とばかりにオーフェルマルスがエリア近くで突っかけ、ファウルをもらいに行きます。
フリーキックからゴール前の混戦、最後に押しこんだのは…ルイス・エンリケでした。
試合開始前からマドリーサポのブーイングを一身に受けながら、それをものともせずに同点ゴールを叩きこむ精神力にはしびれました。
男が惚れる男ですね。
いや、「漢」と書いて「おとこ」と読ませるべきかもしれません。

試合はその後動きがないまま、1−1の引き分け。
後半はルイス・エンリケやメンディエタの存在感が徐々に薄れ、マドリーの流れになりかけましたが、退場者を出して自らその流れを断ち切ってしまいました。
幸い、予想より遙かにバルサの選手達が頑張ってくれたおかげで、楽しめました。
まぁ、試合自体の内容を言えばもっと面白い試合はいくらでもありますし、日本にいても見られるものをわざわざ現地まで行かなくても…という意見もあるでしょうけど、あのスタジアムの雰囲気を味わえただけで、1日の半分以上に及ぶフライトに耐えた甲斐がありました。
現地で40〜50人は見かけた日本人観戦者も、同じように感じたんじゃないかと思います。
地下鉄でホテルに帰り、テレビでルイス・エンリケがなにやら話しているのを眺めながら(このときばかりは、「あぁ、スペイン語を勉強しておくんだった」と後悔しましたね。(^^;)翌日の支度をして就寝。

ホテルをチェックアウトし、適当に時間を潰した後、アラリス(スペイン版新幹線)に乗ってバレンシアへ向かいます。
車窓から広がる風景を見て、やっと旅をしているという実感が湧いてきました。
飛行機に乗っている間は「移動」って感覚はないんですよね。
寝る人のために窓は閉め切ってますし、開けたところで雲しか見えませんから。
車窓から
山がなく、延々と広がる赤茶けた大地。
「あぁ、スペインに来たんだなぁ」というのを、このとき初めて感じたと言っていいでしょう。
途中、アルバセテ(当時、2部リーグで首位を走っていたのが、この都市のチームでした。昇格のニュースを聞いたとき、なんか妙な気分でしたね)を経由して、3時間半ほどでバレンシアに到着しました。
バレンシアNord駅
Nord駅で列車を降りてすぐ、UCLのチケット手配をお願いしていた、現地在住の観光ガイドの方が出迎えてくださいました。
彼女の第一声は「ずいぶん身軽ですね」だったりします。(笑)
まぁ、私は普通サイズのザックを1つ肩にかけただけですし、同行する知人も荷物は似たようなものですから、1週間に及ぶ旅行をしている割には軽装に見えたかもしれません。
チケットの受け渡しが済むと、ご好意で宿までの道案内と簡単な市内の観光名所案内までしていただき、さらにはチェックインの際の通訳まで務めてくださいました。
おかげで全く苦労なくバレンシア入りを果たせて、感謝するばかりです。
ホテルの内部も、マドリーのそれに比べて清潔で過ごしやすく、とてもいい気分で眠りに就きました。

翌日は振り替え休日だったようで、お店なんかもほとんどシャッターを閉めており、通りは静かでした。
せっかく教えてもらった観光名所も、閉まっているところがあったり。(^^;
聖杯
とりあえずカテドラルへ赴き、伝奇物のストーリーでは定番のアイテム、聖杯を拝んできました。
ラ・ペピーカ
その後、出店を冷やかして時間を潰し、昼食に出向いたのはラ・ペピーカというレストラン。
ラ・ペピーカ店内
文豪・ヘミングウェイと縁の深いお店だそうで、店内にも写真が飾ってあります。
本場のパエリアに舌鼓を打った後は、店の前の海を眺めてぼんやり。
休日ですし、かなり気温が上がっていたこともあって、結構な数の海水浴客が集まっていました。
あぁ、水着を持っていけば良かった。(笑)
ともあれ、「そろそろホテルに戻ろうか」と思い、地図を頼りに地下鉄の駅を探したのですが、どうもそれらしいものが見当たらない。
仕方なくふらふら歩いていると交番が目についたので、覚えておいた数少ないスペイン語を駆使して(?)、「地下鉄の駅はどこですか?」と聞いてみました。
ところが、どうも要領を得ません。
多分、私のスペイン語が通じていないんだろうなぁ、と思いつつ、「駅へ行きたいんだ」と繰り返します。
すると、お巡りさんが私を促して歩き出しました。
「う〜ん、本当に通じてんのかなぁ」と不安になりつつもついていくと、たどり着いたのはバス停。
どうやら私が目指していた地下鉄の駅ではなく、最初にバレンシアに到着したときのNord駅へ向かうバスを教えてくれるらしい。(笑)
まぁ、Nord駅までたどり着けばホテルまでは徒歩数分ですから、間違っちゃいないんですが。
で、たまたまバス停に居合わせたおっちゃんが英語の通じる人で、バスの運ちゃんに「こいつ、Nord駅へ行きたいんだとさ」と話をしてくれたおかげで、乗り過ごすこともなく帰り着きました。
はー、やれやれ。(^^;
メスタージャ
UCLの試合会場となるメスタージャを下見に行った後は、少し疲れたので部屋に戻り、なぜか放送しているキャプテン・ハーロックなんか眺めつつ、のんびり過ごしました。

明けて、UCL試合当日。
ちらほらとインテルファンを見かけたりしながら、前の日は閉まっていて見られなかった場所を適当に見て回った後、昼食は観光ガイドさんが「ラ・ペピーカより、その隣のお店がお勧め」と言っていたので、リベンジを兼ねて再び海岸沿いへ。
前日にラ・ペピーカへ向かう際はタクシーを使ったのですが、今回はホテルの近くから地下鉄に乗ります。
これなら、駅の場所がわからないということもあるまい。(笑)
…が。
途中の駅で海岸へ向かう電車に乗り換えようとして、全てを理解しました。
そこから先は地下鉄じゃなくて、路面電車だったんです。(^^;
思えば、お巡りさんも「地下鉄じゃなくて、ほにゃららだ」とか言ってました。
「地下鉄の駅なんて、見当たらないなぁ」と見回していた際、バス停みたいなものなら、確かに見た覚えがあります。
あれがまさか、路面電車の駅だったとは…!
(そのくらい調べておけよって話もありますが。(^^;)
意表を突かれたと言うか、自分のうかつさに呆れたと言うか、ともあれこのときの印象はとても強く、おかげで次回作では、作中に路面電車を登場させることにしました。(笑)

キックオフ直前
暮れて、UCLバレンシア vs インテル戦を見に、メスタージャへ。
バレンシアは1戦目を1−0で落としており、2点差以上つけて勝たなくてはいけません。
…が、キックオフの笛が鳴ってもバラハがスパイクの紐を結んでいたりして、どうも緊張感がない印象。
案の定と言うのもむごいのですが、いきなりインテルに先制を許します。
それも、1戦目と全く同じような形で。
3点取らなければならないのは、どうにも苦しい。
すぐに追いついたものの、アウェーゴール2倍方式という規定がありますから、あと2点取らなければ勝ち残れません。
バレンシアは必死の攻撃を試みます。
しかし、FWのカリュウが左に流れてチャンスメイク、逆に左サイドのビセンテが中に絞る…という場面が多く見られましたが、これはちょっと疑問。
やっぱり、FWにはFWの、ウィングにはウィングの役目というものがあるわけですから。
そんな感じで、バレンシアはいまいち流れを掴めないまま、後半へ。
それでも7分、CKからバラハのヘディングシュートで2−1と勝ち越したときは、「あと38分のうちに1点取れば勝ち」という事実が、数少ないインテルサポーターを除くスタジアム全員の脳裏にちらついたでしょう。
簡単とは言わないもののホームであれば決して不可能とは言えない数字です。
しかし、そこは守備を身上とするイタリアのチーム、粘って粘ってバレンシアの攻撃陣に仕事をさせません。
後半も半ばを過ぎると、バレンシアの選手達も攻め疲れで身体が気持ちについていけなくなり、結局ゴールを割ることができないままタイムアップ。
前半ロスタイム、至近距離からのシュート3連発を防がれたのも痛かったですが、やはり開始早々の失点が悔やんでも悔やみきれないミスだったと思います。
大事な試合では、ミス1つが命取りにになる。
当たり前のことを再確認して、バレンシアにとっての2002-2003シーズンのUCLは、幕を閉じました。

翌日、バレンシアからマドリー、スキポールと経由して成田へ向かう飛行機に乗って日本へ帰ってきたわけですが…。
なにしろフライトの時間も長いですし、現地滞在中も時間はたっぷりあります。
「あわよくば次回作のシナリオの構想を詰めておこう」などと出発前には考えていたのですが、帰ってきたとき、頭のなかにはな〜〜〜んにもありませんでした。(笑)
「次はカンプ・ノウに行ってみたいなぁ」とかそんなことしか考えてないし。
やっぱり、あれですよね。
人間、遊ぶときは遊ぶ。
働くときは働く。
ちゃんと切り換えなきゃ。
…そうだね。
働かなきゃ、俺…。(^^;
というわけで、またいつかスペインへサッカーを見に行ける日を夢見つつ、今は真面目に仕事してます。多分。(笑)


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